「製造プロセスの理解なんて当たり前だよ!」、「初日に説明されてすぐ理解したよ!」と言われるかも知れませんが、おそらくそれでは不十分です。この記事では配属1年目に学んでおきたい製造プロセスの範囲について挙げます。
1.プロセスフローの暗記
学ぶべき範囲
何よりまず最初にやらなければならないのはプロセスフローの暗記です。どの程度まで暗記するのかですが、塔、槽、熱交換器、ストレーナ、メインの配管、ポンプ、コントロールバルブをフローの最初から最後までを何も見ずに描けるようになってください。もちろん機器番号もです。
なぜ必要なのか
すべての基礎になることだからです。会話する際にいちいちフローを確認するような製造エンジニアはいません。運転員も常識的に知っていることです。また、保全、設計、研究所のエンジニアでも(歴が長い人は)知っていますし、(歴が短い)人と話すときは彼らが間違えていないように確認しながら進めるのも製造エンジニアの役割の1つです。
2.現場配置の暗記
学ぶべき範囲
1で覚えた設備が現場のどこにあるのかも確認してください。塔、槽、熱交換器、ストレーナ、メインの配管、ポンプ、コントロールバルブです。手動弁やユーティリティの配管などの細かいところは業務を通じて覚えた方が良いです。
なぜ必要なのか
1と同じです。勉強方法
1、2を合わせてですが、何度もフローを描く、フローを描いたら現場で確認する。これにつきます。正直、配属すぐは(特に新入社員であれば)業務をしたい、業務を通して会社に貢献したいという気持ちが強いかもしれませんが、それをぐっと堪えて、1度だけではなく何度もフローを描いてください。どんなフローでどこに何があるか、丸暗記してください。これを暗記してからがスタートと言っても過言ではありません。
3.主要手順書の理解
1、2が終わったら運転員が使用する手順書を理解していきましょう。化学工場になれば手順書は100を超えることも珍しくありませんので、主要なものだけで構いません。細かいものはその都度読めばよいのです。
学ぶべき範囲
主要手順書といえば、スタートアップ、シャットダウン、緊急時の処置の手順書になります。すべて目を通すだけではなく、内容を理解しましょう。手順書を読みながらで構いませんので、(たとえばスタートアップの)タイムスケジュールを作成できるようになりましょう。勉強方法
手順書を読むだけでは理解した気になって、本質を理解できていないことが多いです。そこでタイムスケジュールの作成を目標に手順書を読むことを進めます。そうすることでどの手順で作業が進むのか、どの作業が並行して行われているのか、この作業はどのくらいの時間がかかるのか、などの感覚を養うことができます。手順書だけでは時間間隔がわかり難いかと思いますので、過去の運転トレンドも参考にタイムスケジュールを作成してみると良いでしょう。そうして追っているうちに別の手順書も学習していく必要が出てくるのに気づくはずです。そちらも勉強していってください。※コンプレッサーや冷凍機の立ち上げ方など